track jacket

つらつら椿

lyrics

      
つやつやと プルン弾むストレート
サラサラと集中保湿 透明感
贅沢に盛ってなりたいジブン
潤い滲む 揺らぐ泳ぐ
コトバの海に溺れかける

ピカピカのパッケージがキラリ
くるくる廻る情報の海
切り抜きtips ほおばってる

キラキラのメッセージをキミに
チラチラ見える感情の波
発火 シナプス つながってる

言いたいことを言い過ぎてる
こんな世の中はnoise
井の中の蛙 意味のなか
まだ見ぬ明日は海のなか

わかればわかるほど
なにもわからないね でも でも
その先にある その先が知りたい

にわとりの先の たまごのその先
トカトントン つーか混沌
次の音はなんだ
なんだ


つらつらと スカスカのコトバを書く
ペラペラと ザラザラのコトバに出会う
つらつら椿 雫をたらす
意味などみずに沈む 揺らす
コトバの海に静かにふれる

フワフワまだイメージは揺らぎ
ただ空回る現状は殻
手探り夢中で探している

ユラユラのアプローチの先に
ぐるぐるめぐる構想はまだ
浮かんでは消えを繰り返してる

言いたいことも言わず黙る
こんな世の中でsilence
くすぶる台詞 渦のなか
来るべき時は今なのか

はまればはまるほど
なにもわからないね でも でも
その先にある その先が知りたい

行動の先の 勇気のその先
トカトントン つーか混沌
次の音はなんだ 
なんだ

赤い椿 白い椿と 
出会いけり 落ちにけり
コトバと遊ぼ つばらかに 

どこかの国の諺に
かわればかわるほど
なにもかわらないね でも でも
その先にある その次も知りたい

にわとりの先の たまごのその先
トカトントン つーか混沌
次のオトはなんだ

見逃した先に 生まれるその先
トカトントン つーか混沌
次の音はなんだ
なんだ

僕の目にナミダ
なんなんだ

      
    

notes

映画を観ようと思ったのだ。殊勝にも、時間があるからと。ネトフリでも開いてみる。しかし、僕はタイトルばかり眺めて、一向に再生ボタンを押す気配がない。気になるタイトルをクリックしては詳細をチェックする。トカトントン。気がつけば映画を見ずに時間が過ぎている。僕というものは、選択肢が多すぎると、かえって怠惰になるらしい。

本棚の前でもそうだ。図書館に本でも借りに行く。背表紙を撫で、内容を想像する。トカトントン。勝手に満腹になってる。読むことなく、選んだつもりでいる。ただの散歩だ。滑稽といえば滑稽だが、当人はそれを楽しんでいるのだから質が悪い。

太宰の「トカトントン」を初めて読んだとき、あの音はどこからともなく聞こえてくる警報のようなものだと思っていた。ところが、今の僕には、自分の指先が机や何かを叩く音のようにも思えてきている。選べないとき、迷っているとき、とんとんと指を鳴らす。まるで殻の内側から、誰かに知らせるように。

鶏が先か卵が先か、と問う者がいる。生物学的には学者は卵だと答えるらしいが、僕にはどうでもよい。問題はその「先」が、過去の話なのか未来の話なのか、誰もはっきりさせてくれないことの方だ。

「トカトントン」と音がする。もしかすると私自身が叩いているのかもしれない。殻を破りたくて。破らずに済ませたい気持ちと、半々で。いや、七三くらいかもしれない。

さあ、次の音はなんだろう。とんとんと机を叩いてみる。そしてキーボードを叩く、スマホを叩く。破れもしないが、止めることもできない。

トカトントン。

今日もまた、音だけが先に生まれてゆく。つらつらとスカスカのコトバを書く。つやつやとした言葉に出会うために。その先にまた次が生まれそうな気がする。それは胎動でありkickなんだろう。僕の意思などお構いなしに。